コーヒーの精製方法には色々と方法があります。「ナチュラル」、「ウオッシュド」「パルプドナチュラル(ハニープロセス)」「スマトラ式」などが一般的で、変わったところでは以前も書いたアナエロビックなどもあります。
これら精製方法の1つとして「カーボニックマセレーション(Carbonic Maceration)」というものがあります。
このカーボニックマセレーションは比較的新しい方法で、オーストラリアのSasa Sestic氏(2015年世界バリスタチャンピオン)が紹介して以来、注目を集めている方法です。
カーボニックマセレーション(Carbonic Maceration)は、もともとワイン醸造の技法として知られていましたが、これをコーヒーの精製方法に応用したものです。
コーヒーチェリーをステンレスの密閉容器に入れ、二酸化炭素を充填して酸素のない環境下で嫌気発酵させることで、独特の風味を引き出します。
- カーボニックマセレーション ナチュラルは、コーヒーチェリーのままタンクに入れて発酵プロセスを行い
- カーボニックマセレーション ウオッシュドは、パルピング(果肉除去)後、タンクに入れて発酵プロセスを行います。
この時、発酵の時間と温度をコントロールすることで、様々な風味のコーヒーを作り出します。
カーボニックマセレーションのコーヒーの特徴
- フルーティで複雑な風味: 赤ワインやベリー類、トロピカルフルーツのような濃厚で複雑な果実味があります。
- 鮮やかな酸味 : 通常の精製方法では得られにくい、非常に明るく、しっかりとした酸味が表れ、シャープな味わいを楽しめます。
- ワインのような質感: 滑らかで丸みのある口当たりが、時にワインを思わせるような風味につながります。
一方で以下のようなデメリットもあります
- 発酵のコントロールが難しい: 発酵の時間や温度を細かく調整することで、風味の違いが生まれます。発酵が長すぎると、過剰な発酵臭や不快な風味がつく可能性もあるため、熟練した管理が必要です。
- 設備投資が必要: 二酸化炭素の充填や温度管理などを行うための設備が必要
アナエロビックと何が違うの?
両方とも同じ嫌気発酵ですが、アナエロビックは酸素を抜いて発酵させるのに対し、カーボニックマセレーションは酸素を抜いて二酸化炭素を充填して発酵させるところに違いがあります。
| カーボニックマセレーション | アナエロビックプロセス | |
| 発酵環境 | 酸素を抜いて二酸化炭素を充填し発酵 | 酸素を抜いた密閉タンクで発酵 |
| 発酵の進み方 | チェリー内の酵素や部生物による細胞内発酵が主導 | 酵母や微生物による発酵が主導 |
| 風味の特徴 | ベリーやワインのような複雑でフルーティでクリーンな風味 | 独特の発酵風味やボディ感、複雑な酸味と甘みを引き出す |
| プロセスの複雑さ | 温度、湿度、時間の管理が非常に繊細 | 発酵時間の管理が重要 |
このような発酵方法による違いに注目して飲み比べて見るのもいいですね。



コメント